画家、井山忠行

井山、、、、忠行
井山忠行

1936年生まれの画家、井山忠行は1989年に日本からインドネシアのバリ島に移り住んだ。

今も内陸部のシンガパドゥ村の、鬱蒼と繁る熱帯の植物に囲まれたアトリエで精力的な制作を続けている。

年月を経て、画家自身が風土に溶け込んで行くことで、その作風は日本的感性をどこかに残しながら、これまでにみたことにない独自のスタイルを獲得している。


井山は1989年(53歳)に初めてバリ島を訪れた。

そこで、彼の幼いころの日本のそれと近似するバリ島の風土、文化、生活等々に惹かれ、滞在を2カ月延ばした。

 

ウブドゥ村プリアタンのカレラン家に間借りし、当主カレラン氏には、バリ島文化理解の厚い手ほどきを受け、又、カレラン氏はアグン ライ氏(現ARMA美術館主)、ニョマン ルダナ氏(現RUDANA美術館主)、ステジャ ネカ氏(現NEKA美術館主)と、井山を繋ぎ、井山は画家としてバリ島とますます絆を深めることとなった。

 

1992年、カレラン氏はいくぶん病身であった井山をシンガパドゥ村の、ヒーラー、チョコルダ ライ氏に紹介した。

井山は彼の手当てを受け、次第に互いの繋がりを深めていった。チョコルダ ライ氏は、彼の村の土地を井山に譲り、1995年、井山はそこにアトリエを建て、更に芸術活動を深めて行った。

 

自然と人間の織り成す空間の中にあるこのアトリエは、今回の展示のテーマ

”Saya ada di sini, Siapa saya........"を訪れた人々に何かを問いかけるだろう。

                    (2012年~13年Siapa saya展より)